日本ではここ数年で急激に人気が高まってきた感のある「ビーズクッション」。
ヨギボーが生まれた本国・アメリカでは一般に "Bean Bag"と呼ばれる、この「ビーズクッション」の歴史は、今から50年近く前の1968年、イタリアの家具ブランド「Zanotta(ザノッタ)」が 発表したある商品に遡ります。
梱包用のポリスチレンペレットを内部に充填し、使う人の体に合わせて変形するという、当時としては前衛的で画期的なイージーチェア 「Sacco(サッコ)」がそれです。
この「ビーズクッションの元祖」とも言われるSaccoは、デザイン史に名を残す革新的なモバイル・チェアとして、後にMoMA(ニューヨーク近代美術館)のコレクションにも選定され、
以来、アメリカでは実に様々なビーズクッションが販売され、広く一般家庭にも浸透していきました。
創業は2009年、アメリカ・ニューハンプシャー州のNashua(ナシュア)からスタートした新進気鋭のファニチャーブランド「Yogibo(ヨギボー)」。
イスラエルに生まれ育った創業者兼CEOのエイアル・レヴィ(Eyal Levy)がYogiboを世に出すきっかけとなったのは、当時、妊娠中で身重の妻が探していた「楽に横たわる為の何か」。
結果、彼が愛妻の為に購入したのは市販の従来型ビースクッションでしたが、その心地良さと親しみやすさから、妻はもとより、その後に生まれた子供たちが、
まるで遊び仲間のようにそのクッションと戯れているのを目の当たりにしました。
単なる「座る道具」から、「生活を豊かに演出してくれる仲間」として、彼は改めてビーズクッションの新たな存在価値に目を向けたのでした。
座り心地やデザイン性だけに傾倒しがちだった従来のビーズクッションに加えて、多様性や耐久性、メンテナンス性など、幅広いカテゴリーの性能向上にこだわった次世代ビーズクッションとして、彼が世に送り出したのが「Yogibo」なのです。
日本では2014年から販売を開始し、公式オンラインストアからの購入をはじめ、現在(2020年6月)では全国に40店舗以上展開している直販店「Yogibo Store」にて、展示してあるYogiboを実際に使ってみて、その心地良さを実感してから購入することも可能です。
座る人の姿勢や体形に合わせてフィットする、いわば「無段階調整」が可能な変幻自在のソファ。
カバー全面が同一素材(固い面と柔らかい面に分かれてない)ので、どの面に座っても、体にぴったりフィット。
形状が維持できる新技術で形が崩れにくいことから、従来には無かった、ベッドとして使えるほど「大きなビーズソファ」、しかも「立てて置けるビーズソファ」 を実現しました。
洗濯機で洗えるカバーで清潔感が保てます。低温乾燥にかければ、生地の収縮により弾力も復活!軽量かつ、省スペース。
ヨギボーには大きさ・形状・仕様など、実に多様なバリエーションが存在しますが、基本サイズは大きい順に「Max」「Midi」「Mini」の3種類。長さは順に約170㎝/125㎝/85㎝となっており、幅は共通で約70㎝、厚みはMaxで約48㎝、 MidiとMiniは約45㎝です。
一方、重さに関しては、最も大きいタイプ "Yogibo max" でも8㎏と、想像以上に軽く、持ち運びも楽々。立てれば高さ140センチ、幅・奥行ともに60~70センチほど。 自立可能なので部屋の片隅に置いておけます。
二重構造のカバーは伸張性、難燃性(※)も含めて、耐久性もバツグン。
※アメリカの強制的燃焼性規制
CA Technical Bulletin 117 難燃性試験に合格。
なおカバーに関しては1年保障付きで、通常使用の範囲内で縫い目やジッパーが破損した場合、注文から1年以内であれば無料交換してくれます。
豊富なカラーバリエーション(15種類)で、置く部屋のインテリアに合わせて様々なコーディネートが可能。
よほど広い部屋でない限り、室内でのYogiboの存在感はかなりのもの。その色次第で部屋全体の印象にけっこうな影響を与えてしまうので、色選びは重要かと 思います。
部屋を明るくしたいなら「オレンジ」や「ピンク」、「アクアブルー」や「ライムグリーン」など鮮やかな色が良いでしょう。
一方、落ち着いたトーンでまとめたいなら、「ブラック」や「ダークグレー」、「チョコレートブラウン」や「ディープパープルなど」が無難かと思います。
只、これら濃い色のYogiboは、飲み物をこぼした場合などに汚れが目立ちにくい反面、糸くずや塵などの付着物は逆に目立つので、フローリングの床に直接置く場合や、 Yogiboのポジションを頻繁に変えるような使い方をする場合など、細かいゴミが付きやすい環境には向かないように思います。
かく言う私は「ライムグリーン」と「ディープパープル」を購入したのですが、色の濃い「ディープパープル」の方は、いちいち白い糸くずなどが気になり、
衣類用のエチケットブラシを使う機会が増えました。
ちなみに鮮やか系の「ライムグリーン」の方は、同じような状態でも付着物が目立たず気にならいので、 扱い的にはこちらの方がラクではあります。
お子様対応
Yogiboのカバーは二重構造になってはいますが、仮にビーズが直接充填されているインナーカバーをお子様などが誤って開けてしまうと、中のビーズが散乱する
恐れもあります。
一度外に飛び出したビーズを回収して詰め直す手間は
想像するだけでもゾッとします。
そんな状況を想定して、Yogiboのインナーカバーのジッパーには、持ち手が付を付けない「セーフティジッパー」が採用されています。
ジッパーを開ける際は、ペーパークリップなどをジッパーの金具に引っ掛けて持ち手代わりにして開ければOK。子供部屋に置きたい親御さん達にとっては嬉しい
配慮と言えます。
Yogibo公式サイトから「Yogibo max(長さ170cm×幅70cm×厚さ48cm)」をオンライン購入し、注文から3日後、 「Yogibo」のロゴが入った、 大きな白いダンボール(高さ120㎝×幅60㎝×奥行60㎝)が届きました。
中からビニール袋に包まれたYogiboを取り出してみて、まず驚いたのは、想像以上に実物が大きく感じられること。
私が購入したのは最も大きいサイズの「Yogibo max」とうこともあり、そのボリューム感たるや、例えるならゾウアザラシ(実際に見たことありませんが。。。) とでも言いますか、とにかくデカイです。
縦にして床に立てると、高さ140cm前後、直径60㎝ほどの円筒形状になりドッシリと自立しますが、これがまた見た感じ、マツコデラックスさん(やはりお会いした こと無しですが、、、)が 傍らに立っているかのような、ふっくらとマッシブな存在感に圧倒されます。
ちなみに中のビーズですが、やや大きさにムラがあるものの、概ね直径2~3ミリといった感じです。指で潰すと結構な弾力で跳ね返し、復元力はかなりのもの。
日本製のビーズクッションの中には、ビーズの直径をわずか0.5ミリと非常に微細にして座り心地の改善を図ったと謳うメーカーもあるようですので、その観点から言えば、 Yogiboのビーズは やや大粒でやや粗いということになるのかも知れません。只、逆にそれがYogiboならではの形状安定性や(隙間が多くなることによる)軽量化に繋がっているのかも 知れません。
いよいよYogiboを実際に使ってみての感想ですが、アウターカバーはコットンベース(&伸縮性繊維スパンデックスとの混紡)というこもあり、よくある綿の衣類の ような柔らかな肌触りであると共に、 非常に伸縮性に優れています。
指で押すと想像していた通り、 「ムニュッ」と沈み込む感じはまさにビーズクッションそのもの。
ところが、横にして実際に腰を落としてみると、ビーズの上 というよりは砂浜の上、もっと言えば、 そば殻の枕の上にでも腰かけているような、 意外にもしっかりとした座り心地が不思議な感じです。
正直、巷に出回っているよくあるビーズクッションのように、座った瞬間に「気持ちイイ~っ!」という瞬間的な感動はないのですが、色々な体勢でグリグリと自分に 合ったポジションを探していくうちに、 ジンワリと徐々にその快適性にハマっていく、といった感じではないでしょうか。
その反面、自分から能動的に快適ポジションを探し出す工夫をしないと、「Yogiboって、たいして心地良くない。。。」といった、「宝の持ち腐れ」状態になる可能性 もあるかと思います。
そういう意味で、変な表現ではありますが、コミュニケーションを深めるほどに快適性が増す、「ペットのような家具」ということもできるかと思います。
そして、Yogiboの体験レビューということで書いておかねばならないのが、ビーズから発せされる発砲スチロール特有の「匂い」。何となく想像できる匂いかとは 思いますが、やはり化学製品的で、 おおよそ「リラックス」できる匂いではありませんので、 最初は結構鼻に付きます。
ただ、これに関しては会社側もじゅうじゅう承知のようで、同封の取扱い説明書にも注意書きの記載があり、「新品のYogiboは新しいビーズ特有のにおいがすること があります。通常、数日~1か月 ほどでにおいはなくなりますのでご安心ください。」とのことですので、日が経つに連れ気にならなくなってくるでしょう。
冬場の1月にヨギボーを購入し、現在は夏真っ只中の8月初旬。半年以上が経過した今、改めてヨギボーを実際に使ってみての感想をお伝えしようと思います。
【良い点・快適な点】
*軽くて移動しやすくどこにでも置けるので、あらゆる面で自由度が高い。
*うつ伏せに身を任せたり、その時々の楽な体勢が取れる。
*ヨギボーMAXの方は大きさを持て余す反面、疲れてちょっと横になりたい時などはやはりあって良かったと実感。また立てた状態で、立ち飲みバーのテーブルのようにして新聞を読んだり、一時的にバッグなどを置いたりと、座る以外にも意外な使い道あり。
【悪い点・不快な点】
*自分の体から発する熱がビーズから跳ね返ってくる感じで、冬は良いのだが、夏場は座面に接する部分が蒸れやすく、長く座ると少々不快。
*カバーが伸び切った感があり、見た目はかなり不格好に。
(これに関しては、カバーを洗えばかなり解消されます。)
*一度座ってしまうと、立ち上がるのが異常に億劫になる(怠け者になりそう、、、)。
ちなみに購入当初に気になっていた「スチロール臭」ですが、1~2か月間くらいは気になったものの、徐々に臭いは弱くなっていき、半年が経過した時点では臭いは無くなりました。
以上、変幻自在のビーズクッション「Yogibo(ヨギボー)」でした。
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<屋外向き 耐水仕様シリーズ "Zoola(ズーラ)">
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