ここでご紹介する abrAsus(アブラサス)「薄い財布」は、2009年12月の販売開始以来、2013年のグッドデザイン賞受賞を経て、 今や10年以上に渡るロングセラーに成長した、とても個性的な二つ折りの革財布です。
今でこそ、巷では「コンパクト」「ミニマル」といった、昨今のキャッシュレス化を意識したキーワードの財布が注目を集めていますが、 「薄い財布」はその先駆け的存在のひとつであり、二つ折り財布の在り方に革新をもたらした、 エポックメイキング的な存在でもあります。
今回は、そんな「薄い財布」のラインナップの中でも最上級に位置し、 上質なイタリアンレザーならではの美しいエイジング(経年変化)が楽しめるという「ブッテーロレザー Edition」の購入をきっかけに、 実際に使用した感想も交え、細部に渡って詳しくご紹介していきます。
トラディッショナルなデザインながら、内部構造は合理性を追求した進化系
「10年後のスタンダードを目指して」というメインコンセプトのもと、 ここでご紹介する「薄い財布」をはじめ「小さい財布」「小さい小銭入れ」「薄いメモ帳」など、 日常をより快適な方向へと進化させる為の、 数々のラインナップが取り揃えられています。
ちなみに公式サイトによりますと、「abrasus」というのはラテン語で「削り取る」という意味らしく、
更にその発音から日本語の「油差す」に結び付けて、
「無駄を削ぎ落した、日常生活の潤滑油となるようなものを作りたい」との想いが込められているんだとか。
上手いこと言いますよね。
そして既にお気付きかとは思いますが、ブランド名としての「abrAsus」は、文字表記の中で真ん中の「A」だけが敢えて大文字になっており、 「薄い財布」に刻印されているブランドロゴにも、この辺りがグラフィカルに投影されていたりします。
製品名自体がズバリ「薄い財布」という辺りに、作り手としての揺るぎない自信が伺えます。
小銭入れ付の二つ折り財布にして、その薄さたるや、、、
<カード5枚、コイン10枚、お札10枚を入れた状態>
で、なんと約13mm!(公表値)
純札入れやマネークリップならいざ知らず、小銭入れ付の二つ折り財布で、しかも中身を入れた状態でこれ程薄い財布はそうそうありません。
中身が空の状態(公表値では約7mm)
カード数枚と硬貨を入れた状態
一般的な二つ折り革財布では、革の重なりが10~20枚と言われているところを、 なんと極限ともいえる5枚にまで激減。
また写真でもわかるように、収納したカード類と小銭とが厚さ方向に重ならないよう横並びに配置するという大胆な発想がスゴイ!
しかも「く」の字に折り込まれた小銭入れの縁が、札入れの端を抑え込む為のストッパー役も兼ねるという無駄の無さです。
全般的に形態が保守的と言われていた既成の二つ折り財布の概念を一度払拭し、「ゼロベース」で発想を再構築することからスタート。
また販売者側的な発想ではなく、 氏自身がスーバーコンシューマー( ≒ 製品やサービスに対して徹底的な拘りを持つ消費者 )的な視点でもってアイディアを具現化していったのだとか。
多数意見の寄せ集めで輪郭がぼやけた「無難な製品」ではなく、万人受けはしなくても特定の人たちの心に「グッと刺さるモノ」を追求しようという、 ある種リスクテイカー的な目論見ともいえるでしょう。
製品化に際してはその革新的な仕様や機能ゆえに革加工が非常に難しく、 アイディアを形にすべく熟練職人と共に幾度となく試行錯誤。 その過程で生まれた試作品の数は20以上にも及んだそうです。
試作品ができる度に、氏が実際に一定期間使用した上で職人さんに問題点をフィードバック。 更なる改良を加えた試作品に取り組むというトライアンドエラーの地道な繰り返し。 一般的な財布製造における試作品数は3点前後といいますから、南社長の製品への拘りの強さが伺えます。
ブッテーロ(buttero)は、イタリアはトスカーナ州・フィレンツェの老舗タンナー・ワルピエ社が製造する、
「ヌメ革の頂点」とも称される最高級革。
ステアという分類に属する成牛のショルダー部分が使われており、
繊維密度が非常に高く、しなやかさと堅牢さを併せ持っています。
また使い込む程に、ゆっくりと数年に渡って色艶の深みと透明感が格段に増していくエイジング(経年変化)の美しさは、 良質な植物タンニンによる鞣しと、その後の充分な加脂に時間を惜しまないイタリア伝統技法の賜物であると同時に、ワルピエ社独自の銀面の「仕上げ」技術によるもの。
当然、ノウハウは企業秘密なわけですが、その美しく滑らかな肌合いと独特の光沢感の強さは、伝統的なバケッタ製法を用いるイタリアの老舗タンナーの中でも、 唯一無二と評価されています。
革表面の<不均一性>も特徴的で、動きの多いショルダー部分ゆえに、 通称「トラ」と呼ばれる筋状のシワが見られることも多く、 良くも悪くもそのワイルドな個体差が、そのまま製品に反映されやすい革でもあります。
他、ヌメ革ゆえのキズの付きやすさも否定できませんが、一方で復元力も非常に強く、キズ自体は消えなくても、 使い込んでいく中で、染料とオイルがキズ部分に徐々に移動していき、周りの色に馴染んで目立ちにくくなっていく特性があります。
時の経過と共に、眩いほどにその表情を魅力的に変化させ、天然素材としての「皮」本来の醍醐味が存分に味わえる上質なオイルドレザー、 それがブッテーロ なのです。
abrAsus(アブラサス) 「薄い財布」 ブッテーロレザー Edition を、私が購入した経緯なんですが、端的に言うと、 自分の嗜好が「鹿革」から「牛革」に戻ったというのがきっかけです。
「???」ですよね。
説明しますと、「薄い財布」購入前の私は、このサイトの別ページでもご紹介していますが、 鹿革の伝統工芸である「甲州印伝」に長らくハマっていまして、 財布はもとより名刺入れ、キーケース、印鑑ケースなど、身の回りの小物類のほとんどが甲州印伝で占められていたんです。
甲州印伝には鹿革の特性が活かされていて、①柔軟性が高い、②軽い、③耐久性が高い、④水にも比較的強い、⑤お手入れが楽、という特徴を持った、 日本が誇るべき優れた伝統工芸なんです。
何より、立体的に浮かび上がるような「色漆」の模様の美しさが魅力的で、漆のプツプツとした触感がヤミツキになるんですよ、これが。
で、その「鹿革」から「牛革」に戻ったきっかけというのが、実は「メルカリ」でして、 売れないと思って数ヵ月放置していた出品物が突然売れてしまった事に端を発しているんです。
その予期せず売れた出品物というのが、20年以上も前に製造されたドイツの老舗ブランド「ゴールドファイル(GOLD PFEIL)」の牛革ボストンバッグでして、購入通知があってから、慌てて発送前のおめかしにと、 久しぶりにレザー用クリームでケアしたんです。
しばらくの間、ほぼケアが不要な甲州印伝ばかり使用していたのが、久しぶりに革のメンテっぽいことをしたこともあってか、 改めて牛革の味わい深い色艶の美しさに感動してしまい、同時に目の前のバッグを売却してしまった事を少なからず後悔してしまったのでした。
ちなみに甲州印伝では、どちらかというと主役は「色漆」の模様であって、鹿革はあくまでもその素材としてのベースに過ぎす、 またもともと鹿革には油分が豊富に含まれていてほぼメンテフリーなので、革表面の状態を意識することがいつしか無くなっていたんですね。
それが、今回の事をきっかけに、改めて「天然牛革」の経年変化した色艶の魅力に引き込まれてしまい、 売却したバッグのように<年季の入った牛革製品>が欲しくなってしまったんです。
そうなると、メルカリで中古品を探した方がかえって好都合ってことで、長年使い込まれて経年による味わい深い色艶が出ているような牛革財布を探し始めました。
その過程で、一概に牛革と言っても、革の加工法や使用部位など実に様々な種類の牛革素材が存在し、 またエイジング(経年変化)による色艶の出方もこれまた多様であることを改めて知りました。
結果、2年ほど使用されてイイ感じにエイジングしたプエブロレザーの二つ折り財布を数千円で購入したんです。
出品者の方もかなり大切に使われたんだと思いますが、これがまた期待してた以上に実物の色艶が素晴らしくて、ものすごく良い買い物をした気分になったんですよね。
それから数ヵ月は、印伝に代わってこの牛革財布を気に入って使っていたんですが、 いつしか更に欲が出てきて「新品を買って、この財布みたいに綺麗にエイジングさせてみたい!」という思いがだんだん強まっていきました。
折しも新型コロナによる外出自粛モードの中、巣ごもり状態でネット検索にも拍車がかかり、エイジング目当てのヌメ革財布の物色にハマっていったのでした。
ここからはもう想像に難くないかと思いますが、エイジングの美しさというところからブッテーロという革の存在を知り、 そのエイジングの実例を画像検索しているうちに、いつしか「薄い財布 ブッテーロ Edition」に行き着いたというわけです。
そもそもエイジングの実例ありきで興味を持ったので、当初は「薄い財布」自体にはあまり関心が無く「別に薄くなくていいんだけどなぁ。」などと思いながらも、 「なんか面白そうな財布ではあるな。」くらいのノリで、ポチッと購入ボタンをクリックしたのでした。
以上、ものすご~く長い経緯説明のあげく、オチが無くて、まことに申し訳ございません。。。
エイジングの美しさがウリのブッテーロということもあって、色艶の変化が顕著に表れやすいと言われる明るめの色ということで選びました。
実際に目にした最初の感想はと言えば、正直、「あまり高級感が無いなぁ。」といったものでした。
上の写真は実物よりかなり濃い茶色に写ってしまいましたが、実際には色合いも素っ気ないキャメルといいますか、若干光沢はあるものの、ややマットな感じで、全体の印象が地味というか、見た感じ 華 が無い というような印象。。。
以前にワイルドスワンズやコルボ、ソットといった名の知れたブランドのイングリッシュブライドルレザー やプエブロレザーの革財布を購入したことがあり、 いずれも届いた商品を開けた時の感動や高揚感には格別なものがあったのですが、「薄い財布」の場合は、その薄さゆえの重厚感の無さや、見た目的なインパクトの弱さもあり、 随分とテンションの低いものでした。
ところが、、、
実際に手に取ってみると、革表面がスベスベとして非常に滑らかで触感が良く、
またしっかりとしたコシの強さもあり、なにやらこのブッテーロという革の持つポテンシャルの高さのようなものを、
掌からヒシヒシと実感するに至りました。
作りもしっかりしていて財布全体の剛性が高いという印象も。
薄さをウリにしている財布に多い、いわゆる「ペラペラな財布」ではなく、「カチッとした財布」といったら、何となく伝わりますでしょうか?
また良く見ると、ヌメ革特有の"ナチュラルスタンプ"ともいえる「トラ」が表裏両面に数本ずつ、川の流れのように入っていて、 革本来の豊かな表情が見てとれます。
この辺りの見た目の不均一性に関しては、人によって好き嫌いがはっきり分かれるところかと思いますが、私自身は「野生の証明」として肯定的に捉えられて、 むしろとても気に入ってます。
その後、数週間使用しているうちに、少しずつではありますが、艶の度合いが増すと共に茶色味が濃くなったのを実感するにつけ、 この先の更なるエイジングが楽しみになってきました。
また、造作的な部分でさり気ないこだわりが見て取れるのが、小銭入れやカード入れが本体と繋がる一枚革の折り返しでできている点で、 その構造的な連続性のようなものが、個人的には妙に気に入りました。
下の写真はカード入れの底部にあたるコバ面で、真ん中がスリットで切り欠かれていてわかりずらいですが、 底部の両端が本体の革と繋がっているのが見て取れます。
更に、カード入れ全体も一枚革の折り返しでカードを包み込むような構造になっており、普段は目にしない裏側までもブッテーロレザーという、
贅沢仕様なんです(下の写真)。
一枚革の折り返しによる端部の弾力性と、裏側にまで用いられたブッテーロのコシの強さが補強材的に作用し、財布全体の剛性アップにも繋がっているように感じます。
一方、機能面での使い易さも日々実感しており、何より本当に「ポケットの中で快適」です。
私自身は財布をズボンの後ろポケットに入れないと気が済まないタイプなのですが、 座った状態のポケット内で財布の四隅(特に下側)が突っ張るようなあの感覚がほとんどありません。
あと多分に私的な感覚ですが、、、
使っていて「なんか楽しい」です。
ホック式の小さな小銭入れを親指の腹で開閉する時の感覚だったり、 その小銭入れの縁で留まっている札入れの端を外すのに、 まるで板チョコを割る時のように財布の端を「へ」の字に折り曲げる動作であったり、 なにかレトロな小道具でも使っているような感じで、 懐かしさにも似た親しみが湧いてきます。
この感覚はいったい何なのだろうとしばらく考えていたんですが、、、あっ、そうです。
これは、昭和の時代にはよく見かけた、いわゆる「ラクダ色の革製カメラケース」と、、、
色合いや佇まい、
しっかりとした外殻の剛性や、ホックを開け閉めする素朴な感じまで、どことなく似ているではありませんかっ!
結果、冒頭に記したトラディッショナルなデザインながら、内部構造は合理性を追求した進化系というフレーズに、ひとり頷く私なのでした。
そんなこんなで購入直後のテンションの低さは一転、私の「薄い財布」に対する総合評価は日を重ねるごとにジワジワと尻上がりに高まっていき、 購入から1か月以上が経過した今では、「やっぱ、この財布イイわぁ。」と改めて実感するに至ったのでした。
まず二つ折り時の大きさは縦:9.8cm × 横:9.5㎝ とほぼ正方形で、コンパクトな手のひらサイズ。
特に側面(コバ面)を持つと滑りにくくて、しっかりと持ちやすいです。
ちなみに重さはわずか50gと、牛革の財布としてはかなり軽量。
また札入れや小銭入れを開いた状態では全長21㎝。
見ての通り一般的な財布と異なり、お金の出し入れの際には、横ではなく「縦」に開く事になります。
このままの向きで小銭と紙幣が同時に出し入れできるのは、なかなか便利だったりします。
例えば支払いの際に、小銭入れの中身をパッと見て足りなければ、すぐさま紙幣を取り出す、というような一連の流れがとてもスムーズです。
「薄い財布」の小銭入れは、財布本体の端部にこじんまりと寄り添うように配置されています。
本体から繋がる革の端部を折り返し更に巻き込んで、内側にポケットを内包するその独特の構造は、 見た目的には<ズボンの裾上げダブル> はたまた<揚げ過ぎた春巻き>とでもいいますか、微妙にプックリと膨れたフォルムと相まって、 何とも愛嬌のある存在です。
また札入れの端を抑え込むストッパーも兼ねていて、この小銭入れなくして「薄い財布」なし、と言っても過言ではないほどに、 機能面、デザイン面ともに重要な役割を担っています。
ふと財布全般を見渡しても、<小銭入れ>というのは往々にして財布の内側に包み隠されてきたわけで、 これは昨今注目のクラウドファンディングにより続々と登場する、独創的かつ革新的といわれるコンパクト財布、ミニマル財布の数々においてさえも例外ではありません。
それが、この「薄い財布」では、内包する硬貨のフォルムをありのままに浮かび上がらせつつ、 「小銭入れの主張」とでもいうべき健気な存在感を堂々と放っているではないですか!
通常は隠されて日の目を見ない影の存在が、表に出て唯一無二の輝きを放つ。
歴史に名を遺すアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトの「構造材にして意匠材」という建築哲学に通じるものがあると思うのは、、、私だけですね、はい。
とにかく、サイズは小さいのに存在感がとても大きい、「薄い財布」のアイコン的パーツとも言える小銭入れなのです。
さて、話が膨らみ過ぎたのでここらで具体的な説明に戻りまして、ホックを開いた状態が下の写真。
コインの頭が少し出る程に浅めの設計により、一列に並んだコインを取り出し易く、小銭同士の相対位置が変わらないので、硬貨の内訳もわかりやすいです。
只、このコンパクトなサイズ故に、受け取った釣り銭を無造作に放り込むというわけにはいきません。
掌である程度は整列させてから入れないと、いずれ人前で硬貨をばらまくハメになるしょう。
なお収納枚数は最大コイン15枚までと謳われてはいますが、そこまで入れるとさすがに小銭入れが大幅に膨らみコインの型も付いてしまいそう。
結果、小銭入れの形を崩したくないという想いも相まって、なるべく小銭を溜め込まないように意識的になっていくのも、 副次的な利点と言えるかもしれません。
ちなみにこの小銭入れ、硬貨の入れ過ぎはもちろん不格好になりますが、逆に全く空の状態だとぺっちゃんこになり過ぎて、何となく貧相というか哀れな感じがします。 使い切った歯磨き粉のチューブみたいな。
そんな時、私は敢えて、1円玉を10枚前後投入したりします。小銭入れの適度な膨らみが保たれて、イイ感じのフォルムになるんですよね。 いわば「シューキーパー」みたいなもんです。
「小銭を減らせって提案してる財布で、わざわざ増やしてどーすんのよ!?」
とお叱りを受けそうですが、スミマセン。
私自身、購入以来、この小銭入れのフォルムには妙に執着気味で、適度な膨らみが無いと表情が変わる感じで、なんか嫌なんですよね。
って、かなりヤバい症状???
購入当初から悩んだのが、小銭の並び順。
一列に並ぶ分、どうしてもその順序が気になるんです。
私自身の結論としては、小銭入れを開いた状態で、左側から順に 50円→5円→1円→10円→500円→100円 という並び順にしています。
もちろんお店でお釣りを受け取って小銭入れに入れる時点では並び替える余裕などないので、後で折を見て並べ替えてます。
設計上では、真ん中が膨らみやす点を配慮し、両端寄りに2か所に分かれてホックが設けられていることを踏まえると、 500円玉などの大きめの硬貨はなるべく真ん中に入れた方が、両端のホックに負担がかからなくて良いように思います。
端に行くに従って小さいサイズへという点と、額面金額の順序も考慮すると、全ての硬貨が1枚以上あるという前提では、以下の並び順が考えられます。
1円 5円 10円 500円 100円 50円
要は、端に行くほどサイズも額面も小さい硬貨、というもので、理屈的にはスッキリとした案ではないかと思いますし、 私も途中まではこのように並べてました。
只、上記の並び順でしばらく使っているうちに、少々気になる点が出てきました。
それは、5円玉と50円玉の存在でした。
ぱっと見的な事なのですが、5円玉が10玉の中に紛れやすく、50円玉は100円の中に紛れて、瞬時に区別しづらいという点でした。
「いやいや、全然区別できるでしょ!」とツッコミが入りそうですが、小銭が一列に並ぶとはいえ、一番端の硬貨以外は薄い三日月状といいますか部分的にしか見えないのと、 色合い的に5円玉と10円玉が近く、特に50円と100円はほぼ同じなので、大きさが違うとはいえ、 意外と判別しずらかったりします。
そんなこんなで、5円玉と50円玉に関しては、その存在感をアピールするためにも、 もっとも目に付きやすい左端に隣り合わせて配置することにしました。
お釣りをもらうプロセスをよくよく考えますと、1円玉、10円玉、100円玉はそれぞれ普通に4枚まで受け取ることがありますが、 5円玉、50円玉、500円玉に関しては、同時に2枚以上受け取ることはめったにないかと思います。つまりこれらの"5"シリーズは、財布内に1枚あるか無いかという、 いわばマイノリティーなんですよね。
私自身よくあるのは、その1枚あるか無いかの5円玉・50円玉の存在に気付かず、○○5円の支払いに対して10円玉を、○○50円の支払いに対して100円玉を使ってしまい、 結果、お釣りとして5円玉・50円玉を受け取るハメになり、本来ならあっても1枚のはずの5円・50円が財布の中で増殖する、という自爆パターンです。
いずれにせよ5円玉・50円玉に関しては、その存在がパッと見てわかるように、端に寄せておくのがベストという結論に至りました。
普段意識して見るのは表面ばかりで、お札の裏面をマジマジと見る機会はあまり無いかと思いますが、裏面に描かれた絵柄は流石に紙幣に採用されるだけあって、 富士山や燕子花(かきつばた)、鳳凰と、 いずれも縁起が良さそうで、財布の内面を飾るのにふさわしいんじゃないでしょうか。
特に五千円札裏面に描かれている燕子花に至っては、その花言葉のひとつが「幸運は必ず来る」だそうで、 これはモーレツに運気が上がりそうじゃないですかっ!
というわけで私自身は絵柄の方を上にして運気上昇を願いつつ、「プチ借景」的にも楽しんでおります。
千円札裏面 富士山と桜
五円札裏面 燕子花(かきつばた)図
一万円札裏面 宇治平等院 鳳凰堂の鳳凰像
いずれ2024年には、20年ぶりに新紙幣が発行される予定ですが、気になる裏面の絵柄は、一万円札が「東京駅 丸の内駅舎」、 五千円札が「藤の花」、そして千円札はなんと、 葛飾北斎の富岳三十六景「神奈川沖浪裏」 がそれぞれ採用されるそうな。
この「神奈川沖浪裏」なんていうのは、今の千円札の「富士山と桜」に負けず劣らず、絵面的にもかなり映えそうですよね。
「薄い財布」×「葛飾北斎」ってな感じで、財布の中でのコラボレーションが実現!?
この「ちょっとしたポケット」にはV字型に切り込みが入っていて、三角形の蓋が被さるようになっているので、鍵を入れても落ちる事はないでしょう。
私自身は、この中にSuica定期券と某会員証(テレホンカードに近い薄型)の計2枚を入れています。
ちなみに当初の「薄い財布」では、このポケットの間口が狭く、鍵やお守りは入ってもカードまでは入らなかったようです。
後の非接触型ICカード普及に伴うニーズもあって、ある時点からはカードが入るように間口を広げた仕様へとマイナーチェンジしたそうです。
只、入るとはいってもギリギリといいますか、V字型のスリットの両脇をグイグイと押し広げるようにして強引に入れる必要があるので、間違っても、
頻繁に出し入れするカードは入れない方がいいです。
注意点として、このポケットの裏側は財布自体の表面(ロゴの刻印がある面)にあたる為、ここに鍵を入れて日常的に使用すると、 表面側の革にアタリが出てしまうことがあり、また逆に何も入れないとそれはそれで、 前述したV字型の切込みの段差が、やはり表面のアタリとなって現れます。
Web上で見られる使用品の掲載写真のほとんどに、このV字型のアタリが見られるのは、この「何も入れなかった」パターンと思われます。
結果、表面にアタリが出るのを避けたい場合には、このポケットに表面が平らなカードを入れて、もし鍵を入れるならその内側にする等、 内部の凹凸が表面側に影響しないようにした方が得策です。
只、最大枚数を考慮して設計されていることもあり、最低でも3枚以上は入れないと中がスカスカで、逆さにした際等にカードが滑り落ちそうな不安がありますので、 収納枚数の調整は各自で必要ですね。
ところで、先の章でも触れましたが、このカード入れの特徴として、全て財布本体と繋がる一枚革が折り込まれてできている、その構造的な連続性が挙げられます。
下の画像は SUPER CLASSIC のパンフレットからのもので、左下の比較的大きめなのが「薄い財布」縫製前の素材(裏面)かと思いますが、 財布全体の構造的な繋がり方がよくわかる写真です。
本体から繋がる一枚革を下方から前面に折り込み、カード入れの立ち上がりと小銭入れのホック受け部分とを構成し、更にその左端から背面側に革を折り込むことで、 カード入れの裏面<兼>札入れの内面が構成されるという、さり気なくも実に無駄の無い作りになっているんです。
ちなみに私はこのカード入れに、上(手前)から順に以下の物を収納しています。
①キーリテーナー(※)で保持した<鍵2本>
※超薄型のキーケースで、次章で説明してます
②磁気防止カード(①の摩擦軽減用)
③セキュリティカード(会社利用)
④銀行キャッシュカード
⑤ショップカード(名刺サイズ)
なお公式サイト上の謳い文句通り、名刺に関しても収納できますが、実際には長時間入れていると端部に型が付いてしまうので、
相手によっては渡すのを躊躇する羽目になるでしょう。
「いざという時に、無いよりはマシ」くらいのスタンスで1or2枚程度、忍ばせておくのはアリかもしれません。
さてここで、カードの収納枚数に関しての補足ですが、もし「カード入れに入りきらない分もどうしても携帯したい」という場合、下の写真のように、
カード入れ裏側の札入れ部分の右奥に、2~3枚なら収納可能です。
「おいおい、札入れにカード入れるのは反則だろっ!」
なんて声が聞こえてきそうですが、これ、意外にアリだと思います。
奥に押し込んだカードの端が札入れ奥の縫込み部分にグイッと食い込んで固定されるのと、「薄い財布」の場合、財布(札入れ)の端が閉じ込まれることで、 札入れとカード入れ裏面に挟まれたカードが適度に圧迫されてズレにくくなって、かなり収まりがイイんですよね。
実際に財布を閉じた状態で、カード入れの開口部を下にして何度か上下に振ってみましたが、抜け落ちてくることはありませんでした。
普通の二つ折り財布ではこうはいきません。札入れに入れたカードなど、当然の如く押さえが効かず、簡単に抜け落ちてしまうことでしょう。
ところで、先にご紹介した私自身のカード入れの中身(①~⑤)では、薄型のカードも混在していて実質的には国際規格のカード4枚分程度のボリューム感でしたが、 これに銀行キャッシュカード2枚をカード入れに追加し、 更にカード入れ裏側に免許証とマイナンバーカードの2枚を入れた状態が下の写真。
たまたま銀行の諸手続きに行くことになり、普段は持ち歩かないカードまで、一切合切詰を収めた結果としての実例です。
見ての通り、かなり膨らんではいますが、それでも厚さは約22㎜。最も突出している小銭入れの縁部分を除けば、 ほぼ約20㎜以内に収まってるので、カード枚数を考えればやはり、かなり薄くてコンパクトです。
というわけで、「今日に限ってはあのカードもこのカードも必要なんだよなぁ。」というような場合の臨時対応策としてはいいんじゃないでしょうか。
もちろん、持ち歩く鍵が1本であったなら、「薄い財布」の「ちょっとしたポケット」に入れれば充分事足りるのですが、 さすがに2本ともなるとスムーズな出し入れは望めません。
以前は財布とは別にキーケースを携帯していた私が、この製品を知って購入したのは1年ほど前ですが、以来、2本の鍵を財布の中に同時に収納できるこのキーリテーナーは、 手放すことのできない必需品となっています。
というわけで、しばし脱線して、この「キーリテーナー」の方もご紹介させていただきます。
この製品、実のところ、キーケースというには少々語弊がありまして、正式には「小物保持具」として特許出願中で、発明者(日本人)の方自らが製造・販売している、 コテコテの JAPAN MADE です。
一般的なキーケースが、いずれも鍵を包み込む、または両面から挟み込む構造なのに対し、このキーリテーナーは、 自動車用部品にも使用される高強度アルミの薄いフレームで、額縁のように鍵を囲い込み、 平ゴムで固定するという、プリミティブかつシンプル極まりない作りです。
つまりキーリテーナーで平面状に保持された鍵をカードホルダーなどに収納することで、 自ずとそれを入れた財布やスマホケースがキーケースとして鍵をカバーして保護することになるという、なにやらヤドカリの中身みたいな存在なのです。
そのフレーム自体が<厚さ0.8ミリ>と、一般的な鍵(大抵は厚さ約2ミリ前後)よりも薄い為、実質、鍵の厚さプラス、 鍵をホールドする平ゴムの厚さ(両面)の合計が、 最大の厚さになります。
私自身、究極的に薄いキーケースを色々と調べましたが、結果、この製品以上に薄いものは今まで見たことがありません。
実際に鍵を使う際には、鍵の先をゴムからヒョイッと外し、フレームを軸にして外側に折り込むようにしながら鍵を押さえて使います。
写真では合計4本のゴムで保持していますが、鍵の安定度によっては、更に筋交いのように斜めにゴムを入れたり、二重巻きにして補強したりと、 それこそ状況に応じて如何様にもアレンジできる自由度の高さも特徴です。
只、難点としては、断面で見た場合の一番外側に平ゴムが来ることで、カードホルダーへの出し入れ時にはそれなりの摩擦抵抗が生じます。
1枚ごとに収納するカードホルダーなら若干出し入れがしずらい程度ですが、何しろこの「薄い財布」では、複数のカードが同じカード入れの中で重なった状態の為、 キーリテーナーを出し入れしようとすると、他のカードまで一緒に巻き込まれて同時にスライドしてしまいます。
幸いこの財布のカード入れは両側に切込みがあるので、他のカードを押さえながら、出し入れすればよいのですが、この辺りにはやや工夫を要します。
ちなみにこの平ゴムには上記のような短所もある一方、キーリテーナーのアルミ枠がカードホルダーの縁や隣接するカードを傷付けてしまわないよう、 クッション役も果たしており、これだけミニマライズしているのに、各パーツが実に無駄なく機能しているなぁ、と感心してしまいます。
いずれにせよ、この「キーリテーナー」は、機能的に「薄い財布」ととても親和性が高く、私のように鍵を2本持ち歩く人には断然オススメです。
仮に鍵を3本
持ち歩く場合でも「キーリテーナー」に2本、プラス「ちょっとしたポケット」に1本入れることで対応可能かと思います。
キーケースを持ち歩くのが面倒という方は、ぜひ一度お試しいただきたい秀逸な製品です。
計測時に収納した所持品の内訳は、以下の通りです。
・小銭13枚
・紙幣8枚
・PVCカード類(クレジットカード同様の一般タイプ)3枚
・PETカード類(QUOカード同様の薄型タイプ)2枚
・鍵2本(キーリテーナーに保持した状態)
計測対象は、「薄い財布」と他に所有している一般的なタイプの二つ折り革財布2点です。
なお「薄い財布」に関しては公表値の測定条件(収納内容等)とは異なるのと、購入1か月後の測定で一定の型も付いているので、 公表値とは全く別物のデータとして捉えれて頂いた方が良いかと思います。
また素人計測につき、あくまでも目安として参考にして下さい。
数字だけを見ると意外にぶ厚いような印象を受けますが、写真からもわかるように、全体が一様に同じ厚さという訳ではなく、 一部の凸部(小銭入れの縁等)を除けば、ほぼ15㎜以内に収まる程度なので、 やはり実感としてかなり薄いと感じます。
カード入れが全部で12ヶ所、仕切り付きの札入れ、小銭入れは四方開きのタイプで、何も入れない状態での計測値は約18㎜。
二つ折り財布では標準的な厚さではないかと思います。
で、これに所持品を入れたみた結果は、、、
約30㎜でした。けっこう分厚くなるものですね。
実際に使用していた時にはそれほど感じていなかったのですが、やはり数字は正直です。
カード入れが計7ヶ所、仕切り付き札入れ、小銭入れは2か所で留めるホック式で横に開くタイプです。
こちらは使用している革自体が厚めなこともあり、何も入れない状態でも約26㎜ありました。
そして所持品を入れた結果、計測値は約35㎜と、かなりの厚さ。
こうなるともう「薄い財布」の倍近い厚さですが、財布の外観からしてややゴツいこともあってか、見た目的に自然といいますか、 むしろこの財布には相応しい厚さという感じもします。
この実測をしていて気付いたんですが、自分自身、財布というのは大事な物を入れるのだから「多少分厚くたって仕方ない」という、 固定観念みたいなものが勝手にでき上がっていたんだなぁとつくづく思った次第です。
さて、改めて所持品を収納した状態で実測した、それぞれの財布の厚さをまとめると以下の通りです。
薄い財布(約18㎜)<財布A(約30㎜)<財布B(約35㎜)
結果、改めて、所持品を収納した状態での「薄い財布」が如何に薄いかを実感しました。
なお今回の比較は、財布の厚さという一側面での比較に過ぎず、当然、財布それぞれの魅力を限定、または優劣を決定付けるものでもありませんので、念のため。。。
「財布の向きなんて好き勝手にさせっ!」という方はこの章は読み飛ばして下さい。。。
先述しましたが、私の場合、型崩れは覚悟の上で、どんな財布でも基本的にはズボンの後ろポケットに入れています。
一般的な二つ折り財布ですと、財布を入れる向きにほぼ選択の余地はなく、札入れの折り返し部分を上に、開く側を下にして入れるわけですが、 普段はジーンズでいる事も多く、座っている時などの財布にかかる圧力も強いのでしょう。使っているうちにコバに近い部分が内側に折れ曲がってきて、 数か月も経つと、何やらモナカみたいに、端っこが閉じたような形になっちゃうんですよね。
一方、「薄い財布」は正方形に近いコンパクトなサイズで、縦or横・表or裏、様々な向きでポケットに入れられるだけに、どの向きが良いのか、かえって迷ったりします。
私自身、色々と試してみた結果、「右利きで右ポケット利用」という前提でベストだと思う財布の向きは、 下の写真のように左側に90度倒した状態で、表面(ロゴのある面)を内側(お尻側)に向けてポケットに入れる、 というパターンです。
外側から見ると、下の写真のような向きになります。
この状態だと、凹凸の少ない裏面が外側に向くので、ポケットの縁に引っ掛かったりせず、出し入れがスムーズなのと、
何よりカード入れの開口部が上側を向くので、カードが抜け落ちにくいという重要な利点もあります。
それと、構造的にカード入れと小銭入れの境目はジョイント的な柔軟性があって、この境目が縦方向に伸びているこの向きの方が、お尻の曲面にしっくりくるような感じがします。
結果、お尻側にくる表面がやや凹型に、外側にくる裏面は逆に凸型にしなる感じになり、ポケットから取り出した後にもこのフォルムが残るのですが、個人的にはこの、 表面がやや凹んだフォルム(裏面はやや猫背状態、、、)が気に入っています。
他に<逆さま&表面内側>の向きというのも、ポケットの縁近くの上部に小銭入れの部分がくるので、取り出すときに財布が掴みやすくて使い勝手はとても良いです。
ただ、難点として下側にくる札入れの折り返し部分が圧迫され、端部の形が崩れてふやけたような状態になってしまい、これは早々にやめました。
また表面を外側に向けるパターンでは、単純に財布の顔ともいえる表面を何かと傷付けてしまいやすいのと、表面が凸型にしなることで、 札入れの端が小銭入れの縁から抜けやすくなってしまうという難点があります。
ということで、私の結論は<横向き(右上)&表面内側>がベストな向きというものですが、人それぞれ感じ方も異なるでしょうから、 まずはひと通り試してみることをオススメします。
とりあえずWEB上でも「ブッテーロレザーの手入れ方法」を色々とググってみたところ、全般的に共通していたのが、 ブッテーロは充分に加脂されたオイルドレザーということもあり、購入後しばらくはブラッシングや乾拭きだけで良く、 特別なケアは必要ないというものでした。
ただ、その「しばらく」というのは人によって様々な見解があり、半年が目安という見方もあれば、2~3年間は大丈夫というものもありました。
逆に最初から革用クリームなどでケアをし過ぎると、革が必要以上に柔らかくなり、ブッテーロ本来のコシの強さが失われて、 俗にいう「コシが抜けた」状態になりやすいそうです。
どうやら、過保護はかえってよろしくない革のようですね。
一方で、ブッテーロに限らず、購入後間もないオイルドレザーは、 内部のオイルが革表面まで充分に染み出していない状態で汚れやシミが付きやすい為、 これらの予防として購入直後に防水スプレーを塗布しておくと、後のケアが楽になるという情報もいくつか目にしました。
個人的には、キズはともかく、汚れやシミは極力避けたかったので、諸々の情報を総合的に判断し、結果、当面はクリームなどによる手入れはしない代わりに、 汚れ・水シミ対策として、 防水スプレーを購入することに決めました。
選んだのは、レザー・ケアのトップブランド「Collonil(コロニル)」の「1909 シュープリーム プロテクトスプレー」という製品。
革財布に防水スプレーを使うのは初めてだったのですが、今まで購入した革財布のブランドの公式サイトなどでも広くオススメしていた製品ということもあって、 迷わずこれに決めました。
浸透性の高いシダーウッドオイル配合で、革に栄養を与えながら防水性も高めるという少々欲張りな防水スプレーで、 商品説明に「新品時のヌメ革のような、風合いの変化しやすい皮革に栄養を与えたい場合に特にお勧め」 とあったのも決め手のひとつでした。
また革をあまり柔らかくしたくない場合にもオススメとの情報も目にしていたので、ブッテーロのコシ抜けも心配ないかと思いました。
で、「薄い財布」の購入から数日後に早速、この「1909 シュープリーム プロテクトスプレー」を購入。
バルコニーでマスクを付けながら「薄い財布」に満遍なく吹きかけてみると、薄めのキャメル色が一気にダークブラウンに変色!
一瞬ヒヤッとしましたが、数分後に表面が乾いてくると、ほぼ元通りのキャメル色に戻ってきてホッとひと安心。
その後、布で丁寧に乾拭きしてみると、これがまた、何とも言えないイイ感じの艶を出してくれるではないですか。
この時、一見、革の色味も濃くなったように感じたのですが、これは一時的なもので、少し時間をおいてみると元の色味に戻っていました。
ところで、後から知ったのですが、製品名の最初にある「1909」というのは、2009年の創業100周年記念に際して、その創業年の数字を冠して発表された、 コロニルの最高級ラインだそうです。
どうりで200mlで約2,000円以上と、けっこうなお値段がするわけです。
そんな話はさておき、その後、一週間毎を目安にスプレーしていますが、革のコシが抜けることもなく、 また防水スプレーの種類によっては色味が濃くなって元に戻らないものもあるようですが、この製品ではそういったこともなく、安心して使えています。
結果、現状の手入れとしては、乾拭きだけは毎日小まめに行い、週一回、防水スプレーを塗布しているという状況で、当面はこのパターンを継続していこうと思っています。
只、振り返ってみると、私の場合、単に汚れや水シミ対策を目的としていたわけで、 今回の「1909 シュープリーム プロテクトスプレー」のように栄養成分配合の贅沢品は必要無かったと少々反省。
そんなわけで、次回は、同じコロニルで、値段も安く防水効果だけに特化した「ウォーターストップ」という製品を試してみようと思っています。
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<追伸>
購入から2か月が経過した頃から、目に見えてブッテーロの茶色味の濃さが増してきました。
当初のやや黄土色っぽい感じが抜けてきたといいますか、微妙に赤味を帯びてきたような印象です。
と同時に、乾拭きするだけで、革用クリームを塗ったかのようなイイ艶が出てくるようになりました。
下の写真は、会社から帰宅後に約1分ほど乾拭きした後のものなんですが、それだけでもかなりツヤツヤになります。
オイルドレザーだけに、毎日の乾拭きで表面に刺激を与え続けたことで、オイルが徐々に表面に移動してきたのだと思います。
そんなこんなで、最近は乾拭きするのがやたらと楽しくなってきまして、改めて「ブッテーロは乾拭きが基本」という諸先輩方のお言葉に納得した次第です。
ちなみに先述のコロニル 防水スプレーに関しては、最近、廉価版の「ウォーターストップ」の方も購入して試してみました。
結論、「1909 シュープリーム プロテクトスプレー」よりも「ウォーターストップ」の方が、表面がテカテカ、ツルツルになり、「防水しました感」がより強い感じがします。
どちらも主成分はフッ化炭素樹脂で、表面に皮革を作るシリコン系防水スプレーと異なり、皮革の繊維に浸透して防水するタイプとのことなのですが、 「ウォーターストップ」の方は見た目的には被膜が作られているような仕上がりで、一時的にではありますがブッテーロっぽさが無くなるような。。。
感覚としては、比較的さり気ない仕上がりの「1909 シュープリーム プロテクトスプレー」の方が好ましいのですが、やはりお値段も相応に高いので、 残りの分を使い切ったら、今後は安い方の「ウォーターストップ」に切り替えようと思っています。
ここまで触れて来なかった「薄い財布」の価格についてですが、2020年6月現在、 「ブッテーロレザー Edition」の販売価格はズバリ¥17,850(税込)。
エンボス加工されたスタンダードタイプ(for MEN / for Ladies)が¥14,950(税込)ですから、それとはほぼ¥3,000の開きがあります。
WEB上で一通り見た限り、いずれも販売店は「SUPER CLASSIC」のみで、公式サイトや楽天やAmazonなどの広告媒体上も、価格は一律のようでした。
こと「ブッテーロレザー Edition」に関していえば、名の知れたブランドでブッテーロレザーの二つ折り財布ともなれば大抵2万円以上が相場のようですので、 ¥17,850というのは、やや低めの価格設定かと思います。
その反面、冒頭でもご案内した通り、重なる革の枚数を可能な限り減らした構造ということで、材料費はかなり抑えられているはず、 などと素人考えで推測したりもして、 個人的には、もっと安くてもいいんじゃないか、と思ったりもします。
ただ一般的な二つ折り財布とは作り自体がかなり異なることもあり、革加工の手間もかかるでしょうし(国内加工だそうです)、 また画期的なアイディアへのプレミアムも含まれると思えば、納得できる部分もあります。
それでも、「薄い財布」を初めて購入しようという場合、<使い勝手が未知数>の財布に対して、迷い無く払える金額ではないように思います。
個人的な感覚値としては、スタンダードタイプ(for MEN / for Ladies)で¥12,000前後、ブッテーロ Edition が¥15,000前後 だったら、 かなり買いやすい印象を与える気がします。
価格はさておき、「自分に合う財布なのか、イマイチ確信が持てない」という場合には、いっそメルカリやラクマ、 ヤフオクなどで中古品を購入するというのもアリかと思います。
数年間使用でかなり年季の入った物などはお手頃価格のものもありますし、使い勝手の確認と共に、経年による状態の変化などもついでに確認できて一石二鳥かと。
それでも気に入ったら、満を持して新品を購入、というのも悪くないと思います。
「二つも買うなんて勿体ないっ!」という考え方もごもっともですが、それならそれで二つを<メイン>と<サブ>というように使い分けるのもひとつです。
「薄い財布」をポケットに入れて使う前提では、革表面がかなりの圧迫や摩擦に晒されるのと、 ほぼ表面加工をしていないブッテーロは特に水に弱いので、 できるなら、時には革を休ませつつ、汗などから吸収された水分を飛ばしてあげる<休養期間>を設けてあげたいものです。
ましてや大雨の日であったり、汗っかきの人であれば夏場の使用などでは、 新品のブッテーロを使うこと自体、躊躇することもあるでしょう。
そんな時にも中古品であれば臆することなく気軽に使え、また水シミのでき方なども実験的に確認できるので、大切な新品を大事に育てるという意味でも、 代替品を持っておくのは何かと有用だと思います。
とまぁ、話が脱線してしまいましたが、価格の話に戻します。
個人的な意見としては、「薄い財布」を知ってから購入に至るまでは、「商品全般の価格設定が高すぎる!」というネガティブな見解でしたが、 実際に購入してからの結果的な満足度の高さを踏まえれば、少なくとも「ブッテーロレザー Edition」の価格に関しては決して高くない、というのが結論です。
一方で、もし価格が¥15,000以下だったなら、「試しに買ってみよっ!」という前のめりな購買意欲を掻き立てられる人々が、激増するように思うんですけどねぇ。。。
このページでご紹介してきた、abrAsus(アブラサス)「薄い財布」ブッテーロレザー Edition。
ズバリ「プレゼントには向いているのか?」と言われれば、
贈る相手にもよるかと思いますが、結論、あまり向いていないと思います。正直、私はお勧めしません。
そもそも「薄い財布」自体が、万人受けを狙った製品ではないことと、それにも増して、 ブッテーロレザーという、これまた好みが分かれやすいヌメ革素材が用いられてることで、単純に、好みにピッタリはまる人が比率的に少ない、 いわゆる「間口の狭い製品」と考えられるからです。
ご夫婦や親子、兄弟、長年付き合っている恋人などであっても、よほど好みを熟知していないと、見かけ上は気に入ってくれたとしても、 内心は「???」という、微妙な反応になり兼ねないように思います。
先の「実際に購入してみて」でも書きましたが、極論、この製品は、ブッテーロという素材の特性も相まって、 どちらかというと「尻上がりに良く思えてくる」製品で、プレゼントを開けた時の「うわぁ!ステキっ!!」 と声の出るような 華 に欠けるところがあります。
プレゼントには必要な「最初のインパクト」が弱いんですよね。
しかも「薄い財布」の良さでもあるカードや小銭の許容枚数の少なさにしても、贈る相手にはかえって、 間接的に制約を強要するようなイメージを与えてしまう可能性もあります。
単純に
「へぇ、面白いアイディアの財布だねぇ。」
「こんなに薄い財布、初めて見たっ!。」
「いやぁ、すごく上質な革だねぇ。」
などと感心されるだけなら良いのですが、穿った見方をすれば
「この財布に合わせて、不要な物は持ち歩かないように。」
というような、良く言えば「提案」、
悪く言えば「余計なお世話」的なメーセージとして受け取られ兼ねないというのが、大袈裟ですが私の率直な捉え方です。
プレゼントって、そのくらいデリケートな部分、ありますよね?「どんな意味が込められてるんだろう?」的な想像が付きものというか。。。
ブッテーロレザーの良さにしても、贈る相手がヌメ革に詳しい方ならいざ知らず、表面加工で均一化した革にしか馴染みのない方にとっては、
ブッテーロ特有の天然模様とも言える「トラ」なんかを見るにつけ、
「なんなんだ! このウネウネした色ムラはっ!!」
とか、心の中で絶叫され兼ねません。
左端から中心下部に渡って、大きく2本の天然のシワ模様「トラ」が見て取れると同時に、後から付いた小傷が全体的に散見される状態です。
またブッッテーロレザーの傷の付きやすさにしても
「ヤバッ!もらって3日で大きな傷付けちゃった!
今度会う時に見せられない。。。」
などと、余計な気を使わせてしまう恐れすらあります。
かといって、自分が贈った物のウンチクをツラツラと述べられる近しい間柄ならいいのですが、付き合いたての恋人同士なんかだと、そんな野暮なことできませんよね。
要は、「事前に何の説明も無しには贈りずらい製品」なんですよね。
逆に言うと、そういったことが許される間柄、、、例えば、いつも財布に無駄な物ばかり入れているご主人に、 奥様が「財布の中身をもっと整理したら?」的なメッセージを込めてプレゼントする、というような贈り方は、断然アリだと思います。
もっと言えば、「自分が強気に出れる相手」「言いたいことが言える相手」に対してのプレゼントならば、 私としてはむしろオススメしたいくらいです。
何が言いたいかというと、「薄い財布」が内包しているライフスタイルの提案的な要素を、相手にそのまま提案できるような深い関係にあるならば、 最初に表現した「間口の狭い製品」かどうかは実はどうでもよく、この abrAsus(アブラサス)「薄い財布」ブッテーロレザー Edition は、 プレゼントとしてオススメできる素晴らしい製品だと私は思います。
ただ同じ「薄い財布」を贈るなら、いっそ「ブッテーロレザー Edition」に拘らず、 ガラス加工で革の艶感がより華やかな「classicエディション」の方がプレゼントとして断然映えるとは思いますけどね。
ここまで来て今さら?という感もありますが、abrAsus(アブラサス)「薄い財布」ブッテーロレザー Edition のイイところばかりでなく、 良くないところやダメなところ、というのも、ひと通り思い付くままに挙げてみようと思います。
これはもう、敢えて小銭入れをミニマライズした代償といってもいい部分なんで、覚悟の上ではあったのですが、事実、モタつきます。
それでも最近はそれなりの改善策を見出しまして、具体的には、釣り銭を受け取る際に「薄い財布」を「縦」ではなく「横」にして持ち、 かつ小銭入れを押さえながら手前に傾けるんです。
結果、小銭入れ全体が縦に伸びる円筒形のようになり、重力で小銭が下方に寄せ集まることで上方にスペースができるので、
取りあえずはこのスペースに釣り銭の塊を上から乗っける感じでガサッと入れます。
特に、小銭がそこそこ入っている所に、更なる釣り銭が追い打ちをかけるような状況では、小銭入れが横(水平)になっている状態よりも、遥かに入れ易いです。
これはブッテーロに限らず、ほぼ表面加工を施さない天然革の財布においては宿命ともいえる弱点です。
水シミに関しては、ちょっとした水滴でさえ、
状況次第では二度と消せなくなる可能性もあり、実際、私は過去にそういった経験があるので、余計に慎重になってしまいます。
いくつか前の章にもある通り、購入以降、定期的に防水スプレーを塗布していることもあってか、今のところ、水シミはできてはいませんが、 やはり大雨の日などは、扱いに気を遣います。
水に濡れた手で財布に触らないようにとか、何かあったらすぐに拭けるようにと、いつしかハンカチを常に持ち歩くようになったりもして、自分でも苦笑している今日この頃だったりします。
まぁ、そのあたりが煩わしいのであれば、エンボス加工やガラス加工などの表面加工を施した、他のシリーズを買えば良いだけの話ではあるのですが。。。
厳密にいうと「ズレたことが気になる」といいますか、お札の半分が露出する構造なのでやむを得ない部分もあるのですが、 気が付くとお札が妙に斜めになっていたりします。
普通の二つ折り財布であればお札の両面が塞がれているので、仮にズレていても意識することは無いでしょうね。
見てくれだけの問題ではあるものの、もう少し札押さえのホールド力が強ければ、ズレにくくなるんじゃないかなぁと、思ったりもします。
これに関しては購入当初から想定してはいたものの、ほんと面白いようにキズが付きます。
特に札入れの端部に関しては、小銭入れを開ける際に爪で引っ掻いてしまうというのが、使用開始直後から頻発しました。
流れとしては「薄い財布」を「縦」にした状態で小銭入れを開こうとすると、小銭入れの縁と親指が直角に交差する感じになる結果、 親指の爪がその対岸の札入れの端部にグサッと刺さってしまうというパターンです(下の写真)。
ご覧のように縦に2・3㎜の小キズがいくつも付いてしまい、このまま行くとそのうち定規の目盛りみたいになりそうです。。。
で、これに懲りてからは、小銭入れを開ける際は、財布を「横」にして(左側に倒して)、小銭入れの縁と親指が<平行>に寄り添うような状態にしてから、 <指の腹>を使って開けるようにしています。これだけでも爪でキズを付ける頻度はかなり減りました。
などと書いている最中、今日などはポケットから「薄い財布」を取り出そうとした際にもたついて、うっかりアスファルトの路面に落としてしまいました。
で、落ちた財布を手に取ると、、、いやぁ~、見事に付いてましたね、キズが。。。3㎜前後のキズが7ヶ所も!。
って言っても、これはもう、慣れですね。
最近では「この新しいキズが、この後、どのように周りに馴染んでいくんだろう?」ってな感じで、興味本位の実験みたいに捉えられるようになりました。
いずれにせよ、キズが付く度に過度に落胆したり、それに至った行動を後悔しそうな方は、少なくとも「ブッテーロレザー Edition」はやめた方がいいかも知れません。
一方で、私個人としては、「キズの付きやすさも含めてブッテーロの魅力」と、主張したい気持ちはありますし、そもそも「薄い財布」はポケットに入れる前提の 財布ですし、キズは付いて当たり前というスタンスです。
真っ当に使い込んで付いたキズなら、むしろ「勲章」って事でいいんじゃないかと思いますけどね。
これは、たまたま私の購入品に限ってのことかも知れないのですが、縫い仕舞いと言うんでしょうか、縫い糸の末端と思われる部分が2か所、 0.5㎜ほど僅かに出っ張っていました。
何てことないように思われるかも知れませんが、縫い糸が硬めということもあってか、 指でなぞると剃り残しのヒゲ以上にチクチクと痛いくらいなんです。
一か所の方は小銭入れの内側で、触れる頻度が少なく特に支障は無かったんですが、もう一方は、裏面コバ側の真ん中あたり(カード入れの底部付近)で、これは少々問題でした。 何しろよく触れる部分につき不快感もかなりのもので、乾拭きする際にも引っ掛かりを感じるほどでした。
今まで購入した革財布でこんな事は一度も無かったので、いっそクレームを上げて返品交換を依頼しようかもと考えたんですが、 こういった手続きには早くても数週間はかかるだろう事は目に見えていましたし、財布自体はけっこう気に入って手元に置いておきたかったので、結局、思い留まりました。
で、この<0.5㎜の不快感>を自分で取り除くことにしたのですが、この平面から僅かに突き出ただけの0.5㎜って、 普通(両刃が擦れ合う構造)のハサミでは、どうにもこうにも切ることができないんですよね。
「逆に考えると、だからこそ、この微妙な出っ張りが残ってしまったのか?」、「いやいや、革加工のプロなんだから、それで終わりってのは無いだろう。」 などと呟きながら、結果、両刃同士が噛み合って切るタイプのニッパー型爪切りでもって、その僅かな出っ張りを少しばかりですが切り詰めることができました。
それでもやはり硬い糸の断面が表面に露出している点は同じで、程度の差はあれ、未だにその箇所に触れるとチクチクするのは変わりません。
「薄い財布」の縫製面に関しての辛口レビューはけっこう見かけますが、「縫い仕舞い」に関してのレビューはかなり少数のようなので、 たまたま運が悪かったのかもしれませんが、事実として少々残念ではあります。
<追伸>
購入から約2か月後の先日、遂に財布裏面の縫い糸の一部がほつれてしまいました(下の写真)。
革財布の縫い糸が僅か数ヵ月でほつれるというのは稀な事かと思いますし、またそのほつれた部分というのが、財布裏面のカード入れの底部付近、 ちょうど私が縫い糸端部の出っ張りを切り詰めた辺りでしたので、その事が関係している可能性が高いです。
そう考えると、縫い糸の末端が出っ張っていたのはこのようにならない為の「然るべき処理」だったかも知れず、違和感があるからとはいえ、 結果的に私は余計な事をしてしまったようです。。。
ということで、もし購入時に私と同じように縫い糸の末端処理(違和感を感じる出っ張り)が気になった方は、ご自分で切り詰めたりせず、 まずは販売店に相談した方が賢明かと思います。
「ちょっとしたポケット」のV字型の蓋は、中に入れた物の落脱防止とお札留めを兼ねた、とても気の利いたアイディア・パーツだとは思うのですが、、、
財布を開いた状態ではやや浮き上がってしまい、お札を押さえているような、いないような、非常に中途半端なスタンスが気になります。
「そんなどーでもイイとこに食いつく???」と言われそうですが、私は気になりますねぇ。
間違いなく、無いよりはあった方が良いパーツですが、そもそもが「蓋」であり「札留め」でもあるので、 ちゃんと「閉まって」いて欲しいです。難しいでしょうけど。。。
仮に「超薄型マグネットシート」的なモノがあって、この蓋の中と札入れの内面のどこかに仕込んで、 蓋がピタッと紙幣を押さえる状態が実現できたりしたら、さり気なくクールだと思うんですよね。
「薄い財布」の裏生地は、「コットン基布ウレタン加工」と言われるもので、要は綿の上に薄いポリウレタンを貼り合わせた生地、 ということらしいです。
ブッテーロ Eedition では、革の色と同系色に合わせていて、私のキャメル色の場合、裏地材の色は淡いレンガ色とでもいいますか、 少しピンク掛かった感じですが、色合い的には無難な印象です。
只、15,000円以上する財布の内装としては、少々質感に劣る感じはします。 耐久性の高さなど、この生地を選んだ何らかの根拠はあるのだろうと思いますが、正直、見た目的にテンションが下がる残念な部分ではあります。
以上、個人的に感じた、良くないところ、ダメなところをツラツラと挙げてきたわけですが、ここまで読まれて「どうでもイイことばっかり、揚げ足取ってるよなぁ。」 と思われた方なら、逆にこの財布はかなり気に入っていただけると思います。
そう。結局、どれも大した欠点とは言えないものが多かったかもしれません。
なんやかんや、ここで挙げた欠点の数々を差し引いてもなお、余りある魅力がこの「薄い財布」ブッテーロレザー Edition にはある、というのが私の結論ですっ!
使い勝手も良く、当初の想像以上に気に入ってしまい、何より小銭の管理意識が自然に高まることで、無駄に貯め込まなくなりました。
また今では革表面の小キズも無数に増えましたが、日増しに深みを増していくブッテーロレザーの色艶の美しさを前に、いつしかそんな事も気にならなくなってきました。
と、まぁ事程左様にこの「薄い財布」に肩入れしている私ですが、やはりミニマリズム的発想で生まれた製品につき、 万人受けする製品ではないのは確かです。
収納力が限られることで、根っからのミニマリストでない限り、改めて常時携行する所持品の取捨選択を強いられます。
滅多に使用しないカードですら常に携帯していないと気が済まないという方にとっては、不便極まりない財布とも言えます。
「本当に必要な物は何か」を自問しつつ、「無駄な物は持たない」という日常的な意識があって初めて存在価値を発揮する、 ある意味、ライフスタイルにおける「矯正ツール」的なお財布と言えるかもしれません。
、、、って、ちょっと大袈裟ですかね。
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