2CVってどんな車?

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シトロエン2CV チャールストン

シトロエン2CVと聞いて、「あぁ、あの車ね。」とピンと来る人がどの程度いるのかわかりませんが、シトロエンがフランスの車だとは知っていても、「にぃしぃぶいって何?」という人がほとんどではないかと思います。

そもそも呼び方自体が人によって様々で、無難に「トゥー・スィー・ヴイ」と呼ぶ人や、フランス語読みっぽく「ドゥ・セ・ヴェ」、「ドゥ・シ・ヴォ」、「ドゥ・セ・ヴォ」などと呼ぶ人もいます。
 ※ちなみに私自身は「ドゥ・セ・ヴォ」と呼んでます。

この、現代車とは一線を画した、独特なフォルムのレトロなフランス車が一体どんな車なのか、その背景に焦点を絞り、生い立ちから生産中止に至るまでをかいつまんでご紹介していこうと思います。

< きっかけ >

2CVが生まれるきっかけとなったのは1930年代後半の事。
当時シトロエンの副社長だったピエール・ブーランジェという人物が体験した、ある出来事でした。

彼はたまたま休暇で訪れた農村で、自動車の発明以来数十年が立つと言うのに、未だに手押し車で荷物の運搬をしている農民達の姿を目にします。

この光景に衝撃を受けた彼は、そのような農村地帯の人々にも購入する事ができる移動・運搬手段として、「必要にして最低限」の条件を満たした車を作らねばならない、という使命感に駆られたのです.

< 開発 >

ブーランジェは休暇から戻るなり、チーフ・エンジニアにこう言ったそうです。

「こうもり傘に4つの車輪を付けたものを作れ。」

この端的な喩えの中に込めた具体的な要望は、以下の様なものでした。

まず2人の大人と50㎏のじゃがいもを積む事ができ、リッターあたり20㎞の燃費で、時速60㎞の最高速度を出せる事。

更には、悪路でも籠に積んだ卵が割れない快適な乗り心地と、女性にも運転しやすい簡潔な構造と操作性。そして安価である事。

これら厳しい条件をクリアすべく開発に乗り出した設計チームは、最重要課題であった軽量化を極限まで進めました。

Toute Petite voiture (very small car) を略して「TPV」と名付けられたこのプロジェクトが始まってから4年後の1939年、ブーランジェが提示した条件をなんとかクリアしたのも束の間、ヨーロッパは大戦による戦火に包まれてしまいました。

戦時下の混乱で秘密が漏れるのを恐れたシトロエン首脳は、試作車のほとんどをこの時に処分させてしまったといいます。
それでも開発チームが手を休める事はなく、水面下でコストダウンや乗り心地の向上など様々な改良を重ね続けていったのです。

< デビュー >

当初のTPVというプロジェクト名に代わって、「2CV」という車名を与えたれこの車が、やっとの事でデビューを飾ったのは、戦争終結から3年後の1948年に開かれた、パリ・サロンにおいてでした。

495㎏という超軽量の車体、最高時速は65㎞。そしてリッターあたり22.2㎞という、当時としては驚異的な低燃費を実現していました。

ところが、会場で初めて2CVを見た人々の評判は期待に反し、その見慣れない奇妙な外観の為か、「ブリキのおもちゃ」だとか、「醜いアヒルの子」などと、様々な表現で揶揄されたようです。

もっとも、当初、ブーランジェが主な購買層として想定していた農民達の反応はと言えば、その経済性と実用性の高さを高く評価し、その流れは郊外の農村からパリなどの都心部へと徐々に広まり、やがて幅広い層の人々に受け入れられる大衆車へと、2CVは育って行ったのです。

< 進化 >

その後、販売が軌道に乗り始めた2CVは、更に排気量の増大や、最高出力、トップスピートの向上等の改良を重ね、また一方ではバン・タイプや4WDなど様々な バリエーションが追加されていきました。

デビューから約20年が経過した1967年に後継車と言われたディアーヌが誕生した後もなお、2CVは大衆車としての変わらぬ存在感を保ち続けたのです。

やがて70年代半ば以降になると、2Cには個性的な数々の限定モデルが登場します。中でも1980年にパリ・サロンで発表された「チャールストン」は、 当初8000台限定のはずが、予想外の反響により、翌年から正式なカタログ・モデルとされる程のヒット作となったのでした。

< 引退 >

しかしそんな2CVも、その後、劇的に進化していった自動車全体の技術革新の中で、高性能車との差は開く一方でした。
やがて1988年にはフランスでの生産が打ち切られ、 更にそれを引き継いだポルトガル工場での生産も、残念ながら1990年を最後に終了となりました。

「パリで写真を撮ると必ずどこかに2CVの姿が映り込む」

とまで言われたフランスの「国民車」は、かくしてデビューから約40年にも及ぶその歴史に幕を降ろしたのでした。

< そして今 >

生産終了から20余年、2CVは今でも、フランスはもとより世界中に根強いファンを残しています。
日本では、ジブリの宮崎駿監督が乗っていた事でも一部で話題となり)、その初監督作品であった映画・ルパン三世の「カリオストロの城」に登場した事も。

その他、映画やCM、ドラマなどに時折姿を見せてはコミカルで和やかな空気を創り出す、役者のような存在でもあります。

世界中に散らばる2CVたちは今もなお、60年以上も前のデビュー当時とは比較にならないほど整備された現代の道路を、「パタパタ」と空冷エンジンの音を立てながら、 元気に駆けまわっている事でしょう。

以上、2CVってどんな車? でした。

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